一級建築士松野邸の手狭な部屋をカフェ風にリノベーションした7つの方法
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5月26日の「ヒルナンデス!」では、一級建築士・松野綾子さん(31)のお宅にお邪魔し、築28年の中古マンションを劇的に変身させた格安リノベーションテクニックの数々を見せていただきました。
プロならではの視点が光る技に舌を巻きつつ、素人でもすぐ真似できる・したくなるテクニックもたっぷりでした。
1、狭い玄関は靴1足分壁を後退させて靴箱を作る
このマンションには、もともと作り付けのシューズコーナーがあったのですが、玄関を入ってすぐの右側の壁を29センチ、御主人の靴がぴったり入る長さの分だけ後退させてシューズコーナーを作っています。「靴にはこの長さで十分」という合理的な考え方に加え、靴箱の上に「空間」ができていることと、壁の向こうのキッチンとの間に小窓ができていることで、何気ない開放感につながっています。
2、ドアを美しく変え、部屋があるように錯覚させるべし!
玄関を入ってすぐ正面に、ウッド調のドアの「部屋」があります。
ここはベビーカー、ゴルフバッグ、さらには配電盤もある「納戸」なのですが、実はもともとシューズコーナーとして作りつけられていた場所がここ。
もともと壁と同じシンプルな白い扉だったものをウッディにかわいらしくしたことで、まるでそこに部屋があるように見せ、家全体を広く「錯覚」させるという驚きのテクニックなのでした。
3、邪魔な梁や柱はインテリアとして利用すべし!
もともとリビングだったところと和室だったところは、壁を取り払い、フローリングを渡して、ゆったりとしたカフェのようなリビングに大変身しています。これはリフォームとしてはよくある方法かもしれませんが、さすがに家を支える柱や壁までは撤去できません。
そこで松野さんは、梁の上に全面鏡を張ったり、柱をレンガ調に装飾したりすることで、インテリア性と開放感の両方をこの部屋に与えました。
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4、壁面収納は上下2段に分けて使う
もともとあった押入れは撤去され、くつろげそうなソファなどが置かれています。収納は新たに壁面に作りつけられましたが、分散せず1カ所にまとめる、収納するものに合わせた寸法で作るなど、無駄がありません。
上部に回し戸式のキャビネット、少し空間を開けて下部に、L字カウンター兼収納スペースが作られることで、開放感と収納性の両方を実現しています。
L字カウンターは机として使いやすい高さで作られているので、一部は作業机になっており、PC作業やミシンにぴったりです。
収納スペースに使われている扉は、見える表側にパイン(松)材、裏側は安い合板を使ったり、L字カウンターの脚がわりにカラーボックスを使ったりと、コスト削減のアイデアも光っています。
この辺はちょっとマネできそう。
ところで、リビングのこの空間づくりには、実は御主人も一級建築士だという御夫妻らしく「コンペ方式」が採用されたそうです。
つまり、アイデアをスケッチして、プレゼンし合ったのだとか。
結果、奥様の大勝利となりました。
ただし、柱をレンガ風に装飾したのは御主人のアイデアだといいます。
5、キッチンには小窓を作り、光と風を取り込むべし!
このマンションが購入された当時のキッチンは、壁で囲われた暗い空間でしたが、壁を取り払い、小窓をつけることで、採光や風通しを確保できる明るく快適な空間に大変身しました。
シンクの下にゴミ箱のスペース。しっかり分別されています。
冷蔵庫は「1」で触れた小窓から至近のところにあるので、買ってきたものを玄関先で小窓の近くに置き、台所に回って小窓からそれらを取り込み、冷蔵庫や収納庫におさめるという「技」が使えます。
重い水や牛乳を買ってきたときは大助かりしそう。
6、キッチン収納はダイニングテーブルに合わせて作るべし!
もともと冷蔵庫用にキープされていた箇所に調理台と収納スペースを作り、冷蔵庫は別の位置に。この収納スペースは、キャスターつきの収納ケースがおさまっていますが、高さがダイニングキッチンと同じなので、テーブルのスペースを広げたいときに使えます。
テーブルや収納ケースは御主人のお手製とか。
キッチンには引き出し式でそれぞれの幅が違う食器収納スペースがあります。
上に薄くて軽いもの、下にいくほど引き出しが深く、大きめの重いものが収納されています。
この収納スペースの上部につくられた棚は、「見せる収納」にすることで開放感を演出しています。
7、寝室のサイズは寝るスペースだけにして、あとは収納に活用すべし!
寝室では、お嬢さんのベビーサークル、御夫婦はお布団で寝ています。ギリギリ寝るスペースだけをキープして、収納スペースが作られていますが、サークルと布団がシングルベッドに入れ替わっても収納スペースが使いやすいよう、高さや扉の開き方に工夫がなされています。
また、部屋が狭くなった分、大きな窓をつけてリビングの方に視線を通すようにし、開放感をキープしています。
まとめ
随所にアイデア満載のこのリノベーションは、270万円で実現し、同じマンション内だけで同様のリノベーションについて、5件の発注があるとのこと。仕上がりのすばらしさもさることながら、「そこで快適に暮らしている」というのが何よりも説得力がありますよね。
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