ヒルナンデス 一級建築士佐治の中古マンション格安リノベ術!
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職業上の知識、技術だけでなく、女性ならではのセンスを併せ持つのが「女性一級建築士」です。
「ヒルナンデス!」火曜日の人気企画、“女性一級建築士の家覗くンデス!”3月29日の放送では、若々しく愛らしいルックスからは(いい意味で)想像のつかない20年以上のキャリアを持つ、佐治弘己さんのお宅の工夫アレコレが紹介されました。
「家族が楽しめる! フルリノベで作ったカントリーハウス」とは、一体、どんなおうちなのでしょうか。
「木のぬくもり」と「遊び心」
玄関を入ってすぐの左側の白壁のあちこちに、なんとも奇妙な形の穴が!何だかおしゃれなコンセプトカフェや、前衛芸術の美術館を思わせる壁ですが、よくよく見ると、そこにはたくさんの雲形の鏡がランダムに貼り付けられているのでした。
見た目のユニークなかわいらしさだけでなく、反射を利用して、明るさを演出する役にも立っているようです。
中古のマンションをセルフリノベで「カントリーハウス」に、ということで、おうちの中は「木の素材」「木目調」があふれています。
17畳大のリビングダイニングキッチンは、もともとは4畳大のキッチン、和室とLDを隔てていた壁を大胆に取り払い、1つの空間にしたもの。
ゆったりして温かみのある家族の憩いの空間です。
アイランドキッチンは、しみ防止のワックスを塗布した木の天板が張られ、空間に違和感なくなじんでいます。
キッチン内には、シンクが2つあります。
1つは調理用の水を出すための水道と、もう1つは洗い物専用の水道ですが、これはかなり台所仕事の合理化に役立つようです。
洗い物専用のシンクの上に水切り用の棚が据え付けられているので、洗ったものをササッと水切りできて、とても便利そう。スチール棚やフレームをうまく使うことで組めそうなので、シンク2基態勢まではマネできなくとも、水切り棚を水道の上に置くのはお手本になりそうです。
ダイニングテーブルにも、ちょっと目を引くものがあります。
イスとして使われているのは、学校で使われているあのおなじみの形。
これは通販での購入も可能です。
学校で大勢の不特定多数の児童生徒が使うものなので、かなり丈夫にできていますし、サイズもいろいろなので、大人でも快適に座れるものもあります。
※筆者注…実は私、いわゆる「スクール椅子」を通販で注文したことがあるのですが、メールや電話で何度も確認したり催促したりして、やっと届いたのは注文から2カ月後…という経験があります(事前にそんなに時間がかかるとは言われていませんでした)。
あのときは「ふざけてる!」と腹が立ちましたが、個人的な1つだけの注文だったことで、何らかの混乱を生じさせてしまった可能性もあります。
あまり一般的な買い物ではないので、注文の際はくれぐれも慎重に!
また、ダイニングテーブルから見える位置にある引き戸は黒板塗料で塗られていて、チョークで絵を描いたり、カフェのメニュー風のメモをしたり、遊び心たっぷりに使えます。
塗るだけで黒板がつくれるペンキ
実はこんなにカラーバリエーションが豊富だってご存じでしたか?
バルコニーの収納庫、ご主人の寝室…
7畳ほどあるバルコニーには、古いロフトベッドにシートを張ってつくったという、ちょっと変わった物置がありますが、このシートはバルコニーの手すりにひっかけると、オープンカフェをほうふつとさせるシェードに早変わり。日差しが気になる季節にはぴったりです。
ところで、佐治さんのご主人は映像関係のお仕事をなさっていて、家での作業も多いとのことですが、楽しく快適なこのおうちは、仕事をするにもうってつけのようです。
奥様のアイデアが生き生きと役立っているこのおうちそのものが、仕事上での示唆につながることもあるのかもしれませんね。
また、佐治さんは、ご主人のリクエストで「隠し部屋」なるものをつくりました。
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バスルーム付近にずらっと漫画やフィギュア、プラモデルなどが並んだ書架があるのですが、一部だけ書架がなく、「ドア?」と思えばそう見えなくもないものがついた箇所があります。
この奥にあるのがご主人の寝室。カプセルホテルのような、今話題のブックホテルのような隠れ家的な空間は、見た目よりも広くて快適で、何だかワクワクするようです。
仕事柄、奥様やお嬢さんたちと生活時間がずれることがあるとのことで、そうした意味でも、ゆっくり眠れる隠れ家というのはかなり重宝しているのではないでしょうか。
【参考】「泊まれる本屋」BOOK AND BED TOKYO
ご主人のベッドルームを見ていたら思い出したのがココです。
http://bookandbedtokyo.com/
壁1つとっても、木材を貼り付けたり、壁と同じような色調の木材を使ってトイレの入り口に「折れ戸」をつけ、狭い廊下でも省スペースになるように工夫したり、かと思えば、ところどころに色調の異なる木材を使って見た目のアクセントを出したり、壁の一部を磁石がつけられる金属製(マグネットボード)にしたりと、見た目、快適性、利便性を考え、うまく組み合わせてあるなあと感心しきりのつくりになっています。
ホワイト ikea マグネットボード
佐治弘己(さじ・ひろみ)さんの事務所「佐治計画」
http://www.h2.dion.ne.jp/~saji-k/keikaku_about02.html
(さじ ひろみ)さん
まとめ
家じゅうのセルフリノベにかかった費用は550万円。佐治さんのお仕事ならではの知恵や工夫の賜物でもあるとは思いますが、「この素材を使ってください」など、ある程度持ち込みにすると、その分業者さんにお支払いする値段が安くなる可能性もあるようです。
こういった情報も、リフォームやリノベーションを考えていらっしゃる方には耳寄りではないでしょうか。
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