ヒルナンデス 1周50m!一級建築士中村邸の部屋を広く見せるテクニック
読了までの目安時間:約
6分
女性の感性とプロの技術に触れる恒例の「女性一級建築士の家覗くンデス!」。
5月17日放送のヒルナンデスでは、「ぐるっと一周50mベランダがリビングに変わる家」と題して、インテリアデザインから建築の道に入るため、30代で資格を取得したという中村雅子さんのお宅にお邪魔して部屋を広く見せるテクニックを拝見しました。
一見木造、実は鉄筋コンクリートの家
出典:http://kenchikuka31.net
自宅とオフィスを兼ねた中村さんのお宅は、緑豊かな東京・杉並の住宅地に溶け込むナチュラルでウッディな落ち着いた雰囲気の建物です。
当然のように木造かと思いきや、実はベースは鉄筋コンクリートの近代的でオシャレな建造物で、その上から木材を張ったという造りなのだとか。
また、お住まいのエリアは条例で景観保護のための風致地区に指定されているため、公道から2メートル、お隣の家から1.5メートル離さなければならないという決まりがあるそうです。
しかし、「ベランダは1メートルまでは建築面積に含まれない」というのをうまく利用して、家の周りにぐるりと50メートル、回廊のようにベランダをとり回しており、条例と空間の確保の両方をクリアしています。
ここはドッグランに、お子さんのサッカー練習スペースにと大活躍で、さらにその一部にはリビングのようにくつろげるスペースもつくられています。
何だかそこで暮らしているだけで、日々ワクワクできそうですね。
中村雅子さん(株式会社タジェール)
技あり、「採光」と「収納」
お宅の中を拝見すると、広い窓や明かりとりの天窓で自然光をたっぷりと取り入れたり、1階にあるオフィスのトイレを階段下につくることで、トイレの電気をそのまま間接照明風に利用したりと、光の使い方の巧みさがそこここに見られます。
また、玄関に壁全面が鏡になった箇所があり、その中は収納スペースになっています。
お出かけ前の姿見と収納を兼ねている上に、鏡に周囲のものを映すことで、部屋を広く感じさせる効果があるというわけです。
ムダのなさとちょっとした遊び心が光っていますね。
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異素材の組み合わせ
ご主人の書斎はゆったりの12畳を誇ります。
これは建築を依頼したクライアントとしてのご主人を尊重してのサービスのようです。
コンクリート打ちっ放しと木の建材やインテリアアイテムを組み合わせることで、洗練された雰囲気を醸し出しているのがこのお家の特徴のようですが、ご多分に漏れず、ご主人の書斎にも木製のブラインドなどがあしらわれています。
アレはどこにある?ダイニングキッチンの謎
ダイニングキッチンには、ご家族4人用のゆったりしたダイニングテーブルと4脚のいす――のほかに、黒いカバーがかけられた、何か見慣れないものが置かれています。
この正体は、フランス「ロジェール」社のガスコンロでした。
ロジェ―ルのガスコンロ
洗練されたデザインと、五徳の手入れの簡単さなどで人気のブランドですが、これがダイニングテーブルの傍らにあることで、できたての料理をそのままささっと盛り付けて、スピーディーに配膳できます。
天ぷら屋さんのカウンター席のように、揚げたてを次々とサーブしたら、ちょっとよさそうです。
調理台は深めのシンクの上でスライドさせられるつくりになっています。
この深さは、内側で二層になっているため、洗った食器を伏せるスペースもあります。
どうしても洗い物が出てしまう台所作業をすべてシンクの「中」でできることで、動線は極めて短く、ササッ、パパッと作業がスムーズにできます。
ところで、このダイニングキッチンには大抵のお宅で最も存在感があるであろう冷蔵庫がありません。
が、一見壁かと思わせるところをスライドさせて開くと、中には冷蔵庫を初めとした台所家電、食器のほか、こまごまとした小物から洗濯機まで、全部収納されていました。
またまたその無駄のなさにはびっくり&感心です。
まとめ
総工費3,500万円。正直、相場より節約できているとしても、「まあお安い」とはいかない額ではありますが、プロフェッショナルが家族のくつろぎ空間として創意工夫して建てたおうちには、そっくりそのままとはいかなくとも、ちょっと真似したいセンスや技術がいっぱいです。
例えば、お嬢さんのお部屋の壁はコルク製のため、ピンを刺しやすくなっており、写真や賞状、ポスターといったものはもちろんのこと、アクセサリーや時計の金具の部分に画鋲をひっかけるように刺すだけで、ちょっとした「見せる壁収納」として使えます。
既にコルクボードをお部屋のインテリアとして使っている方は多いと思いますが、いっそ「壁」にしてしまうことで、部屋全体に温かみを出すこともできます。
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